「何でもいい」の不都合
二年前から当事務所で関与している企業で起きた出来事です。
昨今のコロナ禍により、ある関与先でリモートディスプレイサービスを利用した監査を試みたところ、接続が何度も切れてしまい、監査が実施できない状況に陥りました。後日詳しく話を聞いてみたところ、関与先の使用していたPCのOSがWindows7だったため、セキュリティシステムの影響で接続が切れていたことが発覚しました。二年前の関与開始時に、当時記帳代行を行っていた関与先が自計化を進めるためPCの購入を依頼したのですが、その際「こちらが指定したOSであれば何でもよい」と話していました。「何でもよい」と選択肢をある程度絞らなかったことが原因です。
「何でもよい」というのは一見自由度が高くて良く感じられますが、反対に選択肢が広い分何を選べばいいのか迷う原因にもなります。私たちは会計のプロである以上、「何でもよい」ではなく「こういう理由で必要なので」と目的を相手に伝えた上で、指針となるような選択肢を提示していくことが大切だと感じた事例でした。
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